売上アップは3つの要素と4つの数字から!取り組む順番が大事

店内のPOPを改善したら売り上げが上がった。
セールストークを変えたら成約率が上がった。

そんな一部分の改善で満足する売上を得ることはなかなか難しいのが現実です。

それは売上に影響するいくつかの数字のうち、たった一つの数字を大きく改善して目標売上を達成するのが難しいことと同じです。

やるべきことがたくさんあり、どうしても、すべてが大事なことのように思えてしまいがちですが、

この記事を読めば、売上アップのためにやるべきことと、取り組む順番が理解できます。

売上をアップさせる3つの要素

売上アップにつながる要素は次の3つです。

  • 客数
  • 客単価
  • 購入回数

それぞれ説明していくと、まず客数には初回購入の新規客と2回目以降の既存客が含まれているので、それぞれに対策をすることになります。

つまり、新規客を増やす対策と、一度購入してくれたお客様の流出を防ぐ対策です。

客数を増やすことを考える時、どうしても新規客の獲得に意識がいきますが、実際は既存客とのバランス次第です。

詳しい説明は後述しますが、結局のところ、これらの対策は新規客を獲得してお客様名簿・顧客台帳のリスト数を増やし、名簿に名前があるお客様に対して継続して購入してもらえるように働きかける活動になります。

次に客単価を上げるには、商品の単価を上げる方法と、購入点数を増やす方法があります

単価を上げるというと、とても難しく感じるかもしれませんが、消費税を外税にする、あるいはライバルの価格につられて、安くし過ぎている価格を適正価格に戻すだけでも大きな効果があります

特に内税を外税にするだけで8%もの改善につながりますが、外税になったことを理由に「もうあそこでは購入しない」という人はいないはずです。

小さな改善の積み重ねが大きな結果の差を生み出すので、すぐにできるところから取り組んでいきましょう。

購入回数を増やすということは、初回の購入をしてもらったお客様に長く継続して購入してもらう対策をするということです。

ひと言でいうとリピーター対策ですね。

何もしなければ平均して3回購入してくれるところを、どうやって5回、6回と増やしていくか。

そして、2カ月に1回の利用頻度をどうやって1か月に1回利用してもらえるようするか。

この購入回数と一定期間に利用してもらう頻度を増やす対策をします。

このように、売上アップの取り組みは客数、客単価、購入回数の3つの切り口をベースに考えると、やるべきことが見えてきます。

それでは、具体的な方法について見ていきましょう。

売上アップに欠かせない3つの要素の考え方とやるべきこと

売上アップと言えばこれ!客数を増やす対策

当然のことですが、新規のお客様がゼロになったら、必ず客数は減り続けます。
なぜなら、既存のお客様は何らかの理由で流出していくからです。

流出する(購入してもらえなくなる)理由が、引っ越しや商品・サービスが解決する悩みからの卒業といった理由であれば問題ありません。

しかし現実には、購入しなくなる原因の多くは、忘れられている、購入する理由・きっかけがないなど、販売者側の努力不足によるものが大半を占めています

世の中には同じような商品やサービスが大量にあり、テレビや雑誌の広告、ソーシャルメディアでの紹介やインターネットでの情報を毎日浴び続けている中で、一つの会社から購入し続けてもらう(同じお店を利用し続けてもらう)には明確な理由が必要なはずです。

この購入する理由・きっかけをつくる努力が足りないために既存のお客様は流出していき、それを補うために、もっと多くの新規客を獲得しなくてはいけなくなります。

新規客の数 > 購入しなくなったお客様の数(流出した顧客の数)

この関係が成り立っている時は、顧客は増え続けます

しかし、多くの場合は

新規客の数 ≦ 購入しなくなったお客様の数(流出した顧客の数)

ほとんどの期間はこのようになっていて、時々新規客が上回る時期がある。そのため現状維持か売り上げの緩やかな減少という状況になります

つまり、今よりも客数を増やすために、獲得しなくてはいけない新規客の数は、既存客の流出している数によって変わるということです。

新規客の獲得はどの業種・業態であっても簡単ではありません。わざわざ難しい新規客の獲得だけで客数を増やす必要などないはずです。

そしてお客様が流出するのを防ぐためにやらなければいけないことは、メールやはがきなど媒体に関係なく接触し続けて、お客様との関係を持ち続ける、ということです。

割引クーポンばかり毎月送り続けても、間違いなくごみ箱に捨てられるだけです。

悩み系を解消する商品であれば、お客様が知りたい情報を届ける、こだわりのある商品ならばその想いの強さを伝える、コモディティ商品ならば、商品の紹介だけでなく、社員やスタッフのことを知ってもらうなど、お客様との関係性を深める目的が叶うのであれば、届ける情報に制限はありません。

客数を増やすことが難しいケース

ここで問題になるのは、

  • 開業して間がなく既存客が少ない場合、
  • 既存客の顧客名簿を作っていない場合、
  • そしてリピート購入がほとんどない、単発の売り方をしている場合

この3つのケースです。

・開業して間がなく既存客が少ない場合

新規客の獲得に集中する時期です。
こちらの記事を参考にしてください。

新規顧客を獲得する!|コンサルタントが教える新規客を増やす方法
新規客を獲得するために知っておくべきターゲットの考え方や、新規客が増えないよくある3つのパターン、個人相手だけでなくBtoBでも有効な方法、高い広告費でも広告が出せるようになる方法など解説しています。
13個のフロントエンド商品・集客商品をつくるアイデア
フロントエンド商品・集客商品をつくるときのアイデアとして13個のパターンをまとめました。他業種のやり方を取り入れておもしろいアイデアを生み出してください!

・既存客の名簿を作っていない場合

まずは顧客リストをつくりはじめましょう。既存客に対してアプローチする方法としてメールやLine、郵送などいろいろな手段がありますが、メールアドレス又はLineに加えてできれば名前と住所を聞いてください。

多少の費用は掛かりますが、郵送というアナログな手段はどの業種であっても有効で、デジタルな接触よりも見てもらえる確率が高くなります。

顧客リストができるまでは、次回使える割引クーポンやスタンプカードを配って、リピートをうながすとともに、リピート数を計測しましょう。

・リピート購入がほとんどない、単発の売り方をしている場合

リピートされず、単発の取引しかないビジネスをしている場合は、追加で購入してもらえる商品やサービスを探しましょう。

どんなビジネスでも、複数回購入してもらえるチャンスはあるはずです。
例えば、引っ越し屋さんは普通に考えれば荷物を運んだらそれで終了ですが、家具や収納棚、カーテンや照明器具など新居での生活が始まると必要になりそうなアイテムを集めた商品カタログを渡して帰ります。

その商品カタログから注文があれば一定の紹介料が入るようになっているわけですが、このように、自社で提供できないものは他社と提携して紹介料をもらえばいいだけです。

新規客を獲得するにはお金をかけて広告を出したり、たくさんの人に会うなど、お金や時間を必要とするだけでなく、これらのコストをかけれても思うように顧客を獲得できない難しさがあります。

そんな新規客からの売上だけでビジネスが成り立っているとしたら、慢性的に『不安定な売上』や『価格競争による利益の低下』に悩まされることになります。

自社の商品やサービスで満足したお客様が次に欲しくなるものは何があるのか、それをどうすれば提供できるのかを考えてみましょう

最短で売上アップができるのは、客単価を上げること

客単価を上げるには商品の価格を上げるか購入点数を増やすかのどちらかになります。

まず最初にやるべきことは、既に述べたように消費税を内税にしているなら、まずは外税に変え、そして安くし過ぎている価格を適正価格に戻すことです。

小売業など、単価が低い商品を扱っているほど値上げすることに抵抗を感じるようですが、よほど極端な値上げでない限り客離れやクレームは起きません。

とは言え、一つの商品で値上げできる範囲には限界があるのも事実です。

そのため、次のステップでは商品の価値を高めて価格を上げる方法と、購入点数を増やすことによって客単価を上げる方法に取り組みます。

リピート客・リピーターの客単価を上げるアイデアまとめ
リピーター・リピート客による売上げをもっと増やすことができればビジネスに大きな利益をもたらしてくれます。リピート客の客単価を上げるアイデアをまとめました。

購入点数を増やすには、
商品の魅力を伝えお客様に気付いてもらう
お客様のニーズに合った提案をする

この2つを意識する必要があります。

商品・サービスの魅力をアピールする方法はどこでお客様との接点があるかによって変わりますが、店舗型の場合は、POPの表示やサービスの案内表示、店内放送などが活用できます。

対面で接客・営業・施術などをする場合は、お客様にあった提案をすることで追加の商品やサービスを購入してもらえる確率が高まります。

例えば、化粧品のお店として人気がある@コスメストアでは、商品の単価ではなく、購入点数を重視しています。

「顧客ロイヤルティが高まればリピートする」ことから「来店者数」を、また「顧客ロイヤルティが高い店=商品との出会いの回数を多く与えられる店」として「平均買上点数」と「買上率(来店者数に占める購入者の割合)」の三つを最重要KPIとして定義した。

~中略~

さらにアットコスメストアでは小売業によくある「購買客数」×「客単価」という売上KPIの、「客単価」を上げる行動は推奨行動から排除している。「客単価」は顧客満足の結果、自然と上がるべき時に上がるもので、無理に上げるべきものではないという考え方からである。
売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門 株式会社ビービット遠藤直紀+武井由紀子より引用

業界平均の3倍の営業利益率をほこる@コスメストアですが、客単価を重視しないという方針を安易に見習うわけにはいきません。

なぜなら、客単価を上げる重要な要素である「購入点数」は重要な数字として定義していますし、何よりも@コスメストアは定価販売を基本としているからです。

安売りをしない状態で客単価を上げることを意識すると、店員はより高単価の商品をたくさんすすめるようになります。そうすると顧客からは嫌われてしまうため、店舗スタッフには「客単価」を意識させないようにしているのでしょう。

いずれにしても、他社と同じものを扱っていて価格の自由度が低い場合、あるいは、定価が決まっている商品の場合は、購入点数にこだわってみましょう

長期の売上アップにつながる、購入回数を増やす対策

購入回数を増やす方法を考えるうえで必要なことは、どうすれば10回、20回と継続して購入してもらえるか、という視点と、一定期間における購入頻度を増やすことができないか、という視点をもつことです

リピーター対策の基本的な考え方や具体策について書いていますので参考にしてください。

リピート客・リピーターを増やす方法|最初にやるべきこととは
リピート客を増やしたいとき何から手を付ければいいかわかりますか?顧客と深い関係性を築いている企業の事例と共に顧客がリピート購入する理由としない理由、最初にやるべきことを紹介します。
リピート客・リピーターの客単価を上げるアイデアまとめ
リピーター・リピート客による売上げをもっと増やすことができればビジネスに大きな利益をもたらしてくれます。リピート客の客単価を上げるアイデアをまとめました。

既存客に対して、購入する理由やきっかけを提供し続けなくては、長く購入を続けてもらえないわけですが、その理由やきっかけは、割引やキャンペーンだけではありません。

いろいろな土地でつくられた「地ビール」のブームが去った後、長野県に本社を置くヤッホーブルーイングは8年連続で赤字におちいっていました。

鳴りやまなかった注文の電話がピタッと止まり、かつては商品を欲しがっていた問屋からも「もういらない」と言われるほど状況は悪化していました。

そんな中、社長の井手氏は開店休業状態だった楽天のお店に力を入れ始めます。

インターネットでの販売経験はなく、何もわからない状況の中、楽天が出店している人に対して提供している楽天大学という講座に申し込みます。

そこで、商品に対する知識や想い、お店の特徴やこだわりを伝えることの大切さを学んだ井手氏は、帰宅後はじめてのメールマガジンを書き始めます。

取り上げた商品は、当時「英国古酒」という名前で売っていた、長期熟成させた香りの高い個性的なビール。小売店では扱う店舗がなかった1本3000円のこの商品をネットで売ろうと決めた井手氏が商品ページをつくり、メルマガを送信すると、数時間後にはビックリするほどの注文が入っていたという。これがヤッホーブルーイングの快進撃の始まりとなった。

手ごたえを感じた井手氏は、その後もメルマガを大量に書いて情報を発信し続ける。その中でビールのうんちくや醸造設備のことを伝えると読者の反応が良く、「ポイント2倍キャンペーン」といった情報は反応が薄いことがわかってくる。

熱狂顧客戦略 高橋遼より引用

今ではヤッホーブルーイングは地ビールをつくる会社の中で断トツの販売量をほこり、増収増益を続けていますが、その原動力となっているのは、単なる情報発信の枠を超えて、顧客とのコミュニケーションをとり続けているところでしょう。

その方法はキャンプ場や野球場で開催される一大イベントである「超宴(ちょううたげ)」を筆頭にファンである顧客とふれあい、一緒に楽しむイベントや催しをたくさん開催して顧客と友達のようにつきあうやり方です。

現在のヤッホーブルーイングの取り組みを見ると、お金がある会社がたくさんのイベントを企画しているようにしか見えないかもしれませんが、井手氏が初めてメルマガを発行した時から、流出する顧客の数よりも多くの新規客を獲得し、少しづつ客数を増やしていった結果です。

顧客と友達のような親しい関係性をつくりあげていくことが、「ビールに味を!人生にしあわせを!クラフトビールを通じて日本のビール文化を変えたい」というヤッホーブルーイングのミッションを実現する方法であり、それが顧客の流出を防ぐことにもつながっているのだと思います。

購入回数を増やす究極の方法は、顧客をファン化することであり、自社がブランド化することでもあります。

売上アップに取り組む順番

いざ売上アップに取り組もうとすると、客数、客単価、購入回数と、やるべきことがたくさんあることに気付くはずです。

現在の状況に応じて、クリアすべき課題は変わってきますが、おすすめする取り組むべき順番があります。

その順番は次の通りです。

1.客単価を上げる
2.リピート購入を増やす
3.新規客を増やす

最初に客単価を上げておけば、その後購入が増えるたびに高い客単価で販売することができます。また、客単価を上げるためにコストはほとんど必要ありません。そのためすぐに実施できるという利点もあります。

例え消費税分の値上げであってもかまわないので、まずは客単価をあげることにトライしましょう。

次にリピート購入を増やすことに取り組みます。これも新規客を獲得するよりも安いコストで実施できるはずですし、リピートされる仕組みがない状態で新規客を獲得するよりも、リピートの仕組みができている状態で新規客を獲得した方がいいからです

このリピート購入をしてもらう理由やきっかけを伝えることと、顧客の流出を防ぎ、後々にはファンになってもらえるような関係性を築くことをリンクして行うことになります。

そして最後に新規客の獲得です。
新規客の獲得は最もコストがかかり、難しいことですが、客単価を上げた状態でリピートされる仕組みをつくっておけば、初回の購入時に利益が少なくても問題ないことになります。

このリピートされる仕組みがあるかないかで、新規客の獲得方法と獲得数が大きく変わることもよくあるので、多少でも新規客を受け入れる体制をつくっておくようにしましょう。

ここまでの話で、売上アップに取り組む場合に、新規客と既存客を明確に分けて施策を考えていく必要があることが分かったと思います。

そこで、売上アップを考えるうえで使いやすい公式を紹介します。

売上アップのために意識すべき4つの数字

売上=(新規客数×新規客単価)+(リピート客数×リピート客単価)

売上=客数×客単価の公式を新規客とリピート客に分けただけのシンプルなものです。

「なんだ、そんなことか」と思うかもしれませんが、この公式をベースに考えると必然的に新規客とリピート客、それぞれに対して施策を考えることができます。

リピート客数を増やすには、流出を減らし、リピート購入の回数を増やす、またはリピート購入の頻度を高くする必要があります。

客単価を上げるには、購入点数を増やすのと商品単価を上げればよい、というのは新規客でもリピート客でも同じです。しかし新規客については、客数を増やす必要もあるのでバランスを取る必要があることはいうまでもありません。

現状を分析する

売上アップのためにまず最初にするべきことは、現在の売上を上記の4つの数字にあてはめることです。そして客単価はそれぞれ、購入点数と商品単価も把握しておいてください。

ここで既存客と新規客の売上の区別がつかないケースもきっとあるでしょう。本来であれば明確に分けたいところですが、小売業など高額なシステムへの投資をしないとそれができない場合もあります。

その場合は完璧にできないとしても、今後はできるだけ新規と既存の売り上げを分けて集計できる方法を考えてみてください。最初は概算の数字でかまいません。

「計測できるものは改善できる」と言ったのはピーター・ドラッカーだったでしょうか・・・。

いきなり完璧な数字を出すことにこだわらず、計測できる範囲で始めて、徐々に範囲を広げ、精度を高めていくことが重要です。

まとめ

  • 売上アップには客数、客単価、購入回数の視点で取り組む
  • 売上アップに取り組む時の順番、1.客単価を上げる 2.既存客の購入回数を増やす 3.新規客数を増やす
  • 流出した既存客の数以上の新規客を獲得すれば客数は増加する(既存客の流出対策が必須)
  • 新規客と既存客をわけて考え、それぞれに施策を実施することが売上アップの最短ルート