コストコのビジネスモデルから考える

先日、嫁が友人と一緒にコストコに買い物に
行きました。

朝から出かけて帰ってきたのは夕方の4時前
ぐらいでしょうか。

我が家からコストコまでは少し遠いので、
往復で2時間かかったとしても、
お店に4時間近くいたことになります。

「ずっとコストコにいたん?」

「もう時間なくて~
一周したけど、二周目は半分もいけへんかったわ」

「・・・・・」

もう呆れるというか、驚きというか、
女性が買い物にかけるパワーはすごいですね。

コストコのビジネスモデルの特徴

年会費と高い継続率

コストコと言うと、会員制なので年会費が必要です。

個人会員が4400円、法人会員が3850円で、その年会費分がコストコの利益になっているという
のは有名な話です。

そして驚くべきポイントは、会員になった人の80%以上が継続して年会費を払ってるという、信じられないほど高い継続率です。

最近は多くの業界で継続課金のビジネスモデルが採用され始めていますが、コストコは20年以上前から完成度の高い継続課金のビジネスモデルをつくりあげていたのですね。

というか、逆ですね・・・

コストコが上手くいっているから他業種に広がった、というべきでしょう。

Amazonのジェフベゾスがコストコの成功を見て、年会費をとるアマゾンプライムをつくったという話がありますが、それもうなずけます

徹底したコスト削減

コストコは少品種大量陳列をすることによって、仕入のボリュームディスカウントと、運営におけるコストを抑えています

大体3500~4000アイテムがあると言われているようなので、その数はコンビニよりも少し多いぐらいでしょうか。

一般的な食品スーパーの10倍はある、あの巨大な店舗にコンビニと変わらないぐらいの
アイテムしか陳列されていないのですから、それだけ1つのアイテムが大量に陳列されている、というわけですね。

イオンなどに代表される日本の小売業の陳列方法とは違い、大半の商品は箱のまま、パレット積みのまま、トラックの荷台から売り場に直接持ってきたような陳列の仕方です。

当然、品出しや倉庫作業の手間はかからないので、運営コストを下げることができます。

また、物流コストを下げるために、コストコ専用の特別サイズの商品をメーカーと共同で開発しています。製造、輸送のコストと購入できる量から計算して、一番輸送コストが低く抑えられる、そこでしか手に入らない特別サイズの商品がコストコにはある、ということです。

このように、問屋をはさまないメーカー直取引だけではない、徹底したコスト削減は他の企業が簡単にマネができないポイントになっています。

安さだけではない、イベントとしての楽しさがある

コストコに関するビジネス情報を集めると、コストコは市場価格よりも20%~30%安い、とよく言われていますが、消費者の感覚としては少し違うようです。

他ではできないコストを削減し、驚くほどの大量陳列をしていても、すべての商品が『圧倒的に安い』というわけではないのです。(もちろん、びっくりするほど安い価格もあります。)

「会員制で市場価格よりも20~30%安い」と聞くと、あらゆる商品が市場の底値で販売されているかのような印象を受けますが、毎日どこかでチラシの特売があり、底値を見慣れてしまっている消費者にとっては、『比較的安い~圧倒的に安いものがそれなりにある』ぐらいの感覚ではないでしょうか。

あれほどの大企業が、会員制の卸業という名目で、品種を絞ってコストを削減する努力をして、粗利10%で販売しているのに・・・です。

とはいえ、コストコも安さだけで集客できているわけではありません。

他のお店にはない、海外の商品や、大袋の商品、時々あるとんでもなく安い価格の商品。

いつもとは違う買い物を楽しむ場としてコストコに買い物に行くことがイベントになっているからこそ、継続して年会費を払う人が多いのでしょう。

実際、コストコのレジに並んでいると、多くの人が2万円以上の買い物をしているようです。

コストコの客層は平均から平均より上ぐらいの所得層だと思いますが、2万円の買い物をしに毎月コストコに通う人は少ないでしょう。(個人会員の場合)

2~3か月に1回から半年に1回が多いとすると、2万円の予算は毎月の食費や生活費ではなく、毎月の生活費+イベント費などの特別予算でまかなわれていると考えられます。

この特別予算を捻出させる、買い物のイベント性がコストコの本当の強みではないでしょうか

コストコのマーケティング戦略

強固なビジネスモデルを築いているコストコですが、新しいマーケティング戦略も次々と繰り出しているようです。

本場のアメリカでは、年会費が2倍の上位会員というのがあり、その会員継続率はなんと90%を超えるそうです。BUSINESS INSIDER JAPANより

年会費が利益の源泉であれば、会費を倍にすれば利益も・・・・

当然さまざまな特典をつけているので、単純にすべてが利益にはなりませんが、相当インパクトがありそうな施策です。

また、2019年には日本でもECサイトを立ち上げ、ネット通販を開始するようです。

コストコのネット通販がどのようなスタイルのものになるのか、Amazonを脅かす存在になるのか、非常に楽しみです。

そもそもコストコとは?

ここでコストコとはどのような企業なのか簡単にまとめてみます。

コストコのはじまりは1976年、カリフォルニア州サンディエゴにある飛行機の格納庫を改造して作られた「プライスクラブ」という名前の倉庫店でした。

コストコとは?
コストコホールセールは、高品質な優良ブランド商品をできる限りの低価格にて提供する会員制倉庫型店です。
コストコ倉庫店は、小規模ビジネスを対象に展開してきました。再販業者は仕入れ価格を抑えられるだけではなく、ビジネス用品を低価格で購入することができます。
個人会員の方にも、様々な商品のお買い物をお楽しみいただいています。
コストコホームページより

世界で768の店舗 (2018年11月20日現在)があり、その内日本には26店舗あります。

年間の売上が1,384億ドルということなので、単純計算で1店舗当たり約200億円弱の年商ということになります。

多くの外資系小売業が日本市場に参入しようとして失敗してきましたが、コストコは日本に完全に受け入れられています。

それは2013年に愛知県常滑市の中部空港にオープンする時、オープン前の事前会員入会者が、世界最高の5万人に達したというぐらいの人気ぶりです。

コストコのビジネスモデルから学べること

コストコはその規模のメリットを最大限生かして、商品を安く提供しようとしています。それでも日本の消費者は全てが圧倒的に安いとは感じていないはずです。

これは小さな会社が安く売って量をこなすことが、いかに難しいかを物語っているといえます。

世界的な大企業ですら、安さ+その他の魅力で集客し、大量に販売している商品とは別のところで利益を得ているわけです。

小資本の私たちは、魅力を伝えて納得して高い料金を支払ってもらえるように努力しなければ生き残っていけるはずがありません

マーケティングの視点でみると、コストコの集客商品は販売している商品で、利益商品は年会費といえます。

たとえ安く集客商品を販売しても、その後に売れる利益商品があればいいわけです。

あなたの集客商品と利益商品は何でしょうか?